おはら野 農園日誌            最初にここに来られた方へ   このページ(ファイル)は「おはら野農園日誌」 www.owarano.jp内のページ(ファイル)です。

home おはら野の四季 おはら野 農園 野良日記 遊びたい おはら野ママ link

B 3.11東北関東大震災(東北太平洋沖地震 福島原発)  私のコメント、考え方  (新しいウインドウが開きます)           20111年4月4日作成  龍  隆

      ここでは、私の考え方を書いています。参照や引用については、お名前、URLアドレスを明記することでご了承いただければありがたい。

     2011年5月9日、  A、Bを整理して、原発はいらない! 反核・反原発を置いた。 →こちら 
     このページの記述はおいおい、そっちに片付いていく。

報道機関、その他、私が情報や知識を調べるのに参考・参照しているURLをここに集めています。(当然、ここに載せていないURLもあります)
リンクに当たっての注釈や但書は、掲載した時のものです。
URLの有無など定期的に調べてはいません。何らかの理由で、リンク切れしている場合があります。
URLアドレスをクリックすれば、新しいウインドウが開きます。(当サイト外にリンクを貼った場合の基本ルールにしています)
掲載順は、特に断りが無い場合を除き、概ね時系列順(上段から追加しています。下段ほど古い掲載となります)。
02 April, 2011  掲載している内容が多くなって来ました。順次、レイアウトや生理整頓を行っていきます。
04 April, 2011  ファイル(ページ)が膨らんできたので、分ける。
          @ 検索用・有用な情報を提供するサイト(このページ)) →こちら
          A 有用な情報(読んでおきたい)) →こちら
          B 私のコメント、考え方

     金持ちクラブ、ダボス会議を粉砕せよ

  
 

03 April, 2011  「風評」は情報操作などによって発生する正しい社会反応なのです
 
  武田邦彦氏のブログ 「現代のコペルニクス」 http://takedanet.com/ 
  から、  原発 緊急情報(46) 「風評被害」を学ぶ →http://takedanet.com/2011/04/46_e65d.html
 私も、まったくその通りだと考える。

  一部の人は、整理された正しい情報を出そうとして、多くの知り得た情報を無意識にあるいは(同語的に)意図的に隠す。

  しかし、多くの人は、知った情報の中から今までの自分の経験と知見をもとにとりあえずの結論、行動のよりどころを決める。それは、整理されていない正しいかどうか不確かな情報の中に、行動によってしか(試行錯誤)、より確かさの高い情報を探し出すことが出来ないことを知っているからである。


  −「風評被害というのは、正しい情報を伝えないことによって起こる」
  ということでした。そしてその理由は、「人間は自分の身を守ろうと考えるので情報が不完全な時は、余計に不安になって慎重な行動になる」
  ということでした。豊富な例を示していただき、わたくしはそのことを強く覚えています。
  つまり「風評被害」というのは「悪いことでも異常なこともなく」、情報が不足した時に起こる「正常な人間の社会行動」ということです。
  だから、風評被害をなくすには、一にも二にも人間が自分を守りたいという本能に適した「正確な情報を提供する」ということなのです。  −

  その通りだと思う。

  すでに、政府の発表は、あたかも「大本営発表」の様相を呈しているし、その他政府機関・組織の発表もそのような様相を呈して入る。
  信用ならない捨てるべき情報ならまだしも、そこにしか情報がなく、選択の余地のない現状は、その中からしか、真実が見えてこないわけだ。
  ならば、行動はためらいながら慎重になる。

  福島県の農家の話が出ている。これもその通りだと思う。
  政府・農政、県レベル、農協が言うことを、今まで信じてこなかった人が、この放射性物質が拡散している現況で、彼らの言うことを鵜呑みにする訳がない。後から、実はこうでした、などの話が今までに多すぎるから。

  情報の出所が、「大本営」で、その発表を「報道機関」が受け持っている現在、どちらの話もかつてのように、別に伝わる「噂の真相」裏話と合わせて斟酌するのが、最良のとりあえずのであれ、選択になるのは、自然なことだと思う。

NHKは2006416() 午後9時から949分に総合テレビで「汚された大地で〜チェルノブイリ 20年後の真実〜」という放送をし、今でもNHK ONLINEで見ることができます。

そこでNHKは、

「史上最悪の原発事故からこの4月で20年、人々の苦しみは続いている。というよりむしろ悪化している。ウクライナにある、放射線を浴びた人々が集まって暮らすアパートでは、がんなどの重病患者が増加、毎週のように死者が出ている。さらに大量の放射性物質がまき散らされたベラルーシでは、ヒロシマ・ナガサキでは否定された「遺伝的影響」が報告された。

(中略)

「いまだわからないことばかり」とも言われる放射線の人体への影響。広島の医師や研究者も加わって、暗中模索の事実解明、因果関係の究明が続けられている。」

(本来は著作権がありますのでNHKに断って載せなければなりませんが、日本人の命に関わる事ですから、ご勘弁ください.

・・・・・・・・・

一方、福島原発の事故が起こった後、 NHK は「このくらいの放射線なら大丈夫だ」という放送を繰り返してきました。

それも政府コメントの紹介に止まらず、アナウンサーが自ら比較的大きな声で「安全です」を繰り返してきたのです。

昔から NHK は受信料を強制的に取る国民的放送ですから、多くの日本人は自分が受信料を払っている NHK のアナウンサーは自分の味方で本当のことをいうというように思っています。それを利用した行動でした。

さらに、福島原発の近くの海から規制値の3355倍の放射性要素が、それたときに、「健康に影響はありません」という保安院のコメントだけを紹介し、このような高濃度の放射性要素が健康に影響を及ぼすという考えの人のコメントは出しませんでした。

つまり NHK は片方では「チェルノブイリの放射性障害が考えていたよりもはるかに大きい」という放送をし、片方で「福島原発の放射性障害はほとんどない」と言ったのです。

しかし、海外の多くの報告が示すように、今回の福島原発の事故はチェルノブイリとほとんど匹敵するような放射性物質を出していることがわかっています。

もう一つ問題なのは、 NHK 自体がチェルノブイリについては「放射線による人体への影響はまだわからないことばかり」と放送したのに、福島原発が起こると「安全です」という確定的なことを言うという違いは極めて大きいこと感じます。

・・・・・・・・・

わたくしは、数年前、風評被害を専門とする社会学者に教えを受けたことがあります。その人は若い人でしたが、非常に専門的で立派な学者でした。彼の話はとても複雑でしたが、簡単に言うと、

「風評被害というのは、正しい情報を伝えないことによって起こる」

ということでした。そしてその理由は、

「人間は自分の身を守ろうと考えるので情報が不完全な時は、余計に不安になって慎重な行動になる」

ということでした。豊富な例を示していただき、わたくしはそのことを強く覚えています。

つまり「風評被害」というのは「悪いことでも異常なこともなく」、情報が不足した時に起こる「正常な人間の社会活動」ということです。

だから、風評被害をなくすには、一にも二人も人間が自分を守りたいという本能に適した「正確な情報を提供する」ということなのです。

・・・・・・・・・

201143日(日曜日)の朝、わたくしは NHK のニュースを見て、福島県の農家の人が本当にかわいそうになりました。

放送では、福島県の野菜を何とかして売りたいと思っている農家の人が、トラックに新鮮な野菜を積んで東京に運び、そこで2割引で野菜を売っているのです。

農家も NHK も「この野菜は安全です」というの強調していました。それを見て、わたくしは本当に福島県の農家の人がかわいそうになりました。

というのはこのようなNHKの放送こそが、福島県の野菜に対する風評を強くして、野菜が決定的に売れなくなってしまうからです。

・・・・・・・・・

人間はバカではありません。そして現在のようにある程度の情報が提供されていればそれに基づいて自分の身や自分の子供の事を守ろうと考えるのは当然のことです。

福島原発から出た放射性物質が、空中にあたかも花粉や黄砂のように飛び、それが地上に落ちます。

地上に落ちたり、壁についた放射性物質からわたくしたちの体が被爆します。その値はNHKで毎日報告されていて、福島県ではおよそ数マイクロシーベルに及びます。

ということは、会津地方は別かもしれませんが、福島県全体としては放射性物質が常に降っているわけです。このことはほとんどの日本人が知っていると思います。

つまり福島県の農家には大変に申しわけないのですが、野菜には放射性物質が付着していると考えるのが「常識」なのです。そうなると、規制値と比べてどのぐらい低いのかということが、大切で消費者の知りたいことです。

例えば、規制値が300ベクレルの時に、野菜についている放射性物質が200ベクレルなら、多くの消費者は買わないでしょう。20ベクレルなら買うかも知れません。数値がなければ判断できません。

また、普通の時ならば、周りに放射性物質がないので、あるいは規制値以下であれば野菜を購入する人もいるかもしれません。しかし現在では、空間からの放射線、自分が吸い込んだ放射性物質、水食品等の汚染があるのですから、よけいに慎重になります。

このような時に自分や自分の家族を守ろうとしたら、「放射性物質がついている野菜よりも、放射性物質がついてないものを買いたい」と思うのはごく自然のことです。

もし、福島県の農家の人が福島産の野菜を売ろうとするなら、「この野菜は規制値の何分の1の放射性物質がついています。もしもそれで良いなら買ってください」とお願いするのが良いと思います。

つまり野菜を売るということは、人の口に入るのですから、十分に情報を出して信頼を得て、野菜を売らなければなりません。

そうしないと風評被害はさらに拡大すると思います。

わたくしは息を詰めて放送を見ていました。しかし NHK は最後まで「安全な野菜だ」というのを繰り返し、「福島県の農家を応援したい」という人を紹介していましたが、野菜がどのくらい汚染されているかということは全く触れませんでした。

・・・・・・・・・

それに福島県の農家に打撃を与えたことがあります。

1)   政府が「野菜の放射線を測定するときには、「出荷のまま」ではなく、良く「流水」で洗ってから測定しろ」という通達を出したことです。
これによって消費者は「表示されている放射線量はインチキだ」と確信しました。
消費者は販売されている状態の野菜についている放射性物質の量を知りたいのに、測定する野菜だけを綺麗に洗ったら判らなくなるからです。しかも政府の通達ではご丁寧に、かならず「流水」で洗うように指導しています.
こうなると消費者は「数字は当てにならない」ので、「産地で判断する」ことになります。政府が作り出した風評です.

2)   茨城県知事や福島県知事が「野菜の出荷基準を高くしてくれ。そうしないと農家が困る」と陳情しました。
「高い放射線の野菜を出荷しないと農家が困る」という理由ですが、つまりはこれを消費者から見ると、「茨城県や福島県の野菜を買うと、余計に被曝する」ということを意味します。
もしこれが農家の要望を知事が受けたのだとすると、茨城県と福島県の農家は自分の収入を得るために消費者に、今のように被曝に神経質になっているときに、これまでの基準値以上の放射性物質がついた野菜を食べさせることになりますから、不信感は決定的でしょう.

福島県の農家は被害者です. でも、放射性物質が空から降って来るのは事実で、それを日本人は知っています.だから、方針を転換する必要があります。

政府やNHKの言っている「風評」の宣伝にのったら、農家の人は本当に困ることになるでしょう。

「風評」は情報操作などによって発生する正しい社会の反応なのです.

(平成2343日 午前9時 執筆)


武田邦彦



02 April, 2011

  どうも、報道のされ方がおかしい。
  朝日新聞の報道−2011年4月2日19時25分
             →http://www.asahi.com/national/update/0402/TKY201104020166.html

放射性物質予測、公表自粛を 気象学会要請に戸惑う会員 

 福島第一原発の事故を受け、日本気象学会が会員の研究者らに、大気中に拡散する放射性物質の影響を予測した研究成果の公表を自粛するよう求める通知を出していたことが分かった。自由な研究活動や、重要な防災情報の発信を妨げる恐れがあり、波紋が広がっている。

 文書は3月18日付で、学会ホームページに掲載した。新野宏理事長(東京大教授)名で「学会の関係者が不確実性を伴う情報を提供することは、徒(いたずら)に国の防災対策に関する情報を混乱させる」「防災対策の基本は、信頼できる単一の情報に基づいて行動すること」などと書かれている。

 新野さんによると、事故発生後、大気中の放射性物質の広がりをコンピューターで解析して予測しようとする動きが会員の間で広まったことを危惧し、文書を出した。

 情報公開を抑える文書には不満も広まり、ネット上では「学者の言葉ではない」「時代錯誤」などとする批判が相次いだ。「研究をやめないといけないのか」など、会員からの問い合わせを受けた新野さんは「研究は大切だが、放射性物質の拡散に特化して作った予測方法ではない。社会的影響もあるので、政府が出すべきだと思う」と話す。

 だが、今回の原発事故では、原子力安全委員会によるSPEEDI(緊急時迅速放射能影響予測)の試算の発表は遅すぎた。震災発生から10日以上たった23日に発表したときには、国民に不安が広まっていた。

 気象学会員でもある山形俊男東京大理学部長は「学問は自由なもの。文書を見たときは、少し怖い感じがした」と話す。「ただ、国民の不安をあおるのもよくない。英知を集めて研究し、政府に対しても適切に助言をするべきだ」

 火山防災に携わってきた小山真人静岡大教授は、かつて雲仙岳の噴火で火砕流の危険を伝えることに失敗した経験をふまえ、「通知は『パニック神話』に侵されている。住民は複数の情報を得て、初めて安心したり、避難行動をしたりする。トップが情報統制を命じるのは、学会の自殺宣言に等しい」と話している。(鈴木彩子、木村俊介)


  では、当該の日本気象学会のホームページに掲載された内容は。
       トップページ →http://wwwsoc.nii.ac.jp/msj/
      東北地方太平洋沖地震に関して日本気象学会理事長から会員へのメッセージ(2011.03.21)

         →http://wwwsoc.nii.ac.jp/msj/others/News/message_110318.pdf
                                                    2011年3月18日
日本気象学会会員各位
                                               日本気象学会理事長
                                                       新野 宏
  このたび発生した東北地方太平洋沖地震とこれに伴う津波では東北地方・関東地方に未曾有の被害が生じました。これらの地域にお住まいの皆様のご無事をお祈り申し上げますと共に、被害に遭われた皆様には心よりお見舞い申し上げます。また、困難な状況の中、救援・復旧に総力を注がれている皆様に深い敬意を表します。

  今回の災害は、私達に2つの重大な教訓を与えたと思います。第一は、災害は想定を越えた激しい現象によって起きること、第二は日頃から十分な防災訓練や対策を行っていても現実の現象の前では十分機能しないことがあることです。二度とこのような災害を繰り返さない防災体制や防災教育をいかに構築していくかは、当学会が関わる多様な気象災害においても共通の課題であり、私達は今一層真剣に取り組んでいく必要があると思います。

  今回の地震災害の影響は、今後も長く継続していきます。避難所に避難されている方々への支援、被災地の復興の支援には、すべての国民と共に力を尽くしていく必要があります。

  一方、この地震に伴い福島第一原子力発電所の事故が発生し、放射性物質の拡散が懸念されています。大気拡散は、気象学・大気科学の1つの重要な研究課題であり、当学会にもこの課題に関する業務や研究をされている会員が多数所属されています。しかしながら、放射性物質の拡散は、防災対策と密接に関わる問題であり、適切な気象観測・予測データの使用はもとより、放射性物質特有の複雑な物理・化学過程、とりわけ拡散源の正確な情報を考慮しなければ信頼できる予測は容易ではありません。今回の未曾有の原子力災害に関しては、政府の災害対策本部の指揮・命令のもと、国を挙げてその対策に当たっているところであり、当学会の気象学・大気科学の関係者が不確実性を伴う情報を提供、あるいは不用意に一般に伝わりかねない手段で交換することは、徒に国の防災対策に関する情報等を混乱させることになりかねません。放射線の影響予測については、国の原子力防災対策の中で、文部科学省等が信頼できる予測システムを整備しており、その予測に基づいて適切な防災情報が提供されることになっています。防災対策の基本は、信頼できる単一の情報を提供し、その情報に基づいて行動することです。会員の皆様はこの点を念頭において適切に対応されるようにお願いしたいと思います。


−以上−
  と、ある。 
つまり、学会と会員が危惧し、恐れているのは
−不確実性を伴う情報を提供、あるいは不用意に一般に伝わりかねない手段で交換することは、徒に国の防災対策に関する情報等を混乱させることになりかねません。放射線の影響予測については、国の原子力防災対策の中で、文部科学省等が信頼できる予測システムを整備しており、その予測に基づいて適切な防災情報が提供されることになっています。防災対策の基本は、信頼できる単一の情報を提供し、その情報に基づいて行動することです。
  −
この中の一点、一般に伝わりかねない−自分を、自分たちを、一般人と違う、と言っている。なに様だと思ってんでしょう。
  このことは、報道関係者も、なに様であって、一般人と違うと思ってんでしょう。

  国や、政府及びその他機関・組織が、信頼できる情報を提出していない現状、つまり大本営発表である間は、ネットを通じて、一般に伝わる手段で、情報を交換するのは至極自然なことで、その中で、専門知識をもつ人たちの役割は大きい。そうじゃないのか。

  政治や、情報が、エライ人カシコイ人に独占されていた時代はとっくに終わっている。普通の人、一般の人が専門的な知識を持ち、普通の人、一般の人が考え判断している時代ではないのか。
 

 いつも、ハチが飛んでる社会を 。ケブカハナバチ
ホバリングでミツを吸っている
02 April, 2011

  日本では、放射性物資の拡散・汚染について24時間知ることのできる状態ではありません。 政府機関も第三セクターも、報道機関もそのような体制、考え方を持っていないようです。
  ところが、海外では、常にモニタリングして、その結果を、その評価方法を検証できる形で公開しています。
  政府や、政府機関、報道機関は、自分たちの発表する内容に自信がないからか、自らの判断を他者に検証してもらう姿勢がありません。

  仕方ないので、海外の”原子力――機関”が公表しているサイトを紹介します。
T フランス放射線防護原子力安全研究所(Institute de Radioprotection et de Surete Nucleaire-IRSN)
                        トップページ →http://www.irsn.fr/EN/Pages/home.aspx

   こちらに日本語による発表しているファイル(PDF)があります
          日本語PDFファイル  →http://www.irsn.fr/EN/news/Pages/201103_seism-in-japan.aspx
     フランス語のほか、英語ではリアルタイムな記事を読むことができます。
U ドイツ気象庁Deutscher Wetterdienst
       ドイツ語版のトップページ →http://www.dwd.de/bvbw/appmanager/bvbw/dwdwwwDesktop
       この中のWeather and migration conditions in Japan(同じトップページにある)
        こちらでは、
       閲覧した日の正午(UTC)、翌日正午(UTC)、それとそのシュミレーション・アニメを見ることができる



  翻って、日本の政府、政府機関はどのような態度を取っているのか。報道機関は何故情報を発表しないのか。
  日本の反原発組織『ストップ・ザ・もんじゅ』から引用
                 →http://www.page.sannet.ne.jp/stopthemonju/
 −なぜ放射能拡散予測情報を公開しないのか/迅速な住民避難を−PDFファイル
        →http://www.page.sannet.ne.jp/stopthemonju/home/11.3.25fukushimajohokokai.pdf

  「放射能がくる」という表紙タイトルで物議を醸した『AERA』3.28 号に「国民には『データ隠蔽』」という記事が載っている。

  気象庁は1AEA(国際原子力機関)には1日2 回、気象庁の大型コンピュータによる放射能拡散予測を報告している。それを気象庁は公表していない。理由は「うちは海外向け。国内向けは文科省担当」。

  その文科省は別にSPEEDI(スピーディ)と呼ばれる放射能拡散予測ソフトを持っている。細かな地形データが入力されており、10 分で拡散予測が出てくる。文科省原子力安全課は「対外的な影響が大きい」という理由で公開してない。

  SPEEDI を管理運用している財団法人・原子力安全技術センターは、「放出されている放射能の濃度が分からないため、広がった範囲の濃淡が分からない。単純に拡散図だけを見せると般の人の心配が大きくなる。毎時拡散予測図を文科省などに報告しており、住民避難に活用されている」という。

  ふざけた言い分だ。下図は文科省が公表している全国都道府県のうち福島県のモニタリング情報。30 キロ圏外すぐ(32 番)に100 マイクロシーベルトを超える汚染地域がある。これを筆頭にかなりの汚染が広がっているのは明らか。私たちの「許容値」年間1ミリシーベルトを時間単位に直せば8760 分の1だから0.1 マイクロシーベルトだ。100 マイクロシーベルトなら当然避難すべきエリア。

  このモニタリング情報は、ガイガーカウンターのようなもので放射線を計った値。空気に含まれる放射能を集めて分析したものではない。屋内退避していても外気を吸い込むのだから、こういうモニタリング情報ではなく、放射能の拡散が判断できる予測図は情報として欠かせない。それを公表して住民避難の判断材料とすべきだ。

  アメリカ駐日大使は自国民に対して福島第一原発から80 キロ圏外に出るように勧告している。私たちには知らされていない情報に基づいている。何とも情けない。

  ↓文科省公表の福島第一原発周辺のモニタリング結果

  フランス大使館は3 月15日午前、東京に放射能が到達するとして、都内在住フランス人に屋外に出ないように勧告している。文科省公表データでは、この日、東京には0.5マイクロシーベルトのピークともう1つ小さいピークが記されているだけ。京大原子炉実験所の小出裕章さんは独自に台東区での採取資料を分析しておよそ1 000 マイクロシーベルトと予想している。

  東京都産業労働局の公表データもこれを裏付けている。私たちの年間「許容値」相当がこの日東京を襲ったことになる。外国大使館が日本人には隠されたデータで迅速に動いているときに、テレビでは「たいしたことはない」と平静を呼びかけている。


   3月20日8:28〜17:31 単位マイクロシーベルト毎時



 17 March, 2011:ジャコウアゲハのサナギ
16 March, 2011 午前 9:35:51開始

  結局、このサイトの他の記事同様、時系列に従ったスタイルで書くことになる。このスタイルは書き込んだ当人私が読んでも、いつ書いたか、以前の記事を参照したり(無意識にであれ、)はっきりその時点で判るからである。つまり記事の内容が、それこそ以前の全てが参照されているし、つじつまが合わなくなってきてることをも、判るからである。
  文章スタイルは、私にとって判りやすいことを優先している。他の人に向けて発表する際には文章スタイルを変える。
  水平線で区切られた範囲の文章はそれとして独立している。





                                   ナショナルジオグラフィック:表紙 →
                                 

10分間、見てなさい

美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会(美浜の会)
             大阪市北区西天満4-3-3 星光ビル3階                 TEL 06-6367-6580
    →http://www.jca.apc.org/mihama/


人をつないで脱原発を目指す市民団体
   −グリーン・アクション−

  →http://www.greenaction-japan.org/modules/jptop1/
30 March, 2011開始
  美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会(美浜の会)

                      →http://www.jca.apc.org/mihama/
  私は、支持する。

 − 以下本文−  →http://www.jca.apc.org/mihama/fukushima/mhlw_kosho110328.htm

3月28日厚労省との交渉報告
人々の不安や苦悩を省みることもない、あまりにも無責任な厚生労働省
◆「『直ちに健康に影響が出るレベル』がどういうレベルかは、厚労省としてははっきりしていない」
◆ICRPの集団被ばく線量リスク(1ミリシーベルトを2万人が被ばくすると一人のガン死リスク)は、「知らない」
◆食品の暫定規制値では、1年で17ミリシーベルトもの被ばくになる
◆食品の暫定規制値では、「後になって健康影響がでるかも知れない」
◆外部被ばくと内部被ばく全体についての被ばく管理は、どこが管轄しているか「知らない」

2011.3.29 美浜の会

 3月28日、午後2時から30分という限定で、参議院議員会館会議室で、厚生労働省との交渉を行った。この交渉は、全国168団体が3月24日に共同で提出した公開質問書「直ちに人体に影響は出ない」の回答を求めて行われた。

 交渉には、関西、九州、首都圏から60名ほどの市民が参加した。
 厚生労働省から出席したのは、医薬食品局食品安全部企画情報課の佐久間課長補佐と基準審査課の内海係長の二名だった。
 参議院議員福島みずほ事務所の尽力で実現した。大島九州男議員も参加された。

 公開質問書の内容
1.「ただちに影響がでるレベル」とはどのようなレベルなのか、またその影響とはどのような人体的影響なのか、具体的に説明してください。

 回答の最初は、枝野官房長官が記者会見で話した文章を読み上げるだけだった。そのため、質問内容にそって、具体的に質疑を行った。

 交渉で明らかになったのは、驚くほどの厚労省の無責任な姿勢だった。重要な点を紹介する。

●「『直ちに健康に影響が出るレベル』がどういうレベルかは、厚労省としてははっきりしていない」
 まず、「直ちに影響がでるレベル」とはどういうレベルなのかと問うた。これに対しては、「厚労省としてははっきりしていない」と語った。参加者はあまりの回答に驚き、何回か確認したが、これが役所としての回答だということだった。
 次に「どのような人体影響なのか」については、「ガンの発生リスクがあがる」と語り、どのようなガンなのかについては、具体的に答えることもなかった。



●ICRPの集団被ばく線量リスク(1ミリシーベルトを2万人が被ばくすると一人のガン死リスク)は、「知らない」
 放射線の人体影響について、政府はICRP(国際放射線防護委員会)のリスク評価をもとにしている。ICRPのリスク評価は、しきい値なしの原則(これ以下なら影響はでないという値はない)で、低線量被ばくについては集団被ばく線量の考え方でリスク評価を行う。脱毛などの急性障害と違って、低線量でも晩発性の人体影響が出るという考え方だ。ICRPの集団線量評価では、20人Svで一人のガン死者が出るとなっている(例えば、1mSvの被ばくを2万人が受けた場合、一人のガン死というリスク)。
 このICRPの集団線量リスクを知った上で、人体影響について語っているはずだ。念のために、これを知っているのかと問うた。すると、ICRPの集団被ばく線量のリスクについては「知りません」と語った。耳を疑うような回答だ。

●食品の暫定規制値では、1年で17ミリシーベルトもの被ばくになると認める
 厚労省は、水や野菜、原乳が高濃度に汚染されていることが明らかになり、3月17日に、食品の放射能汚染の摂取限度として、原子力安全委員会が事故時を想定して定めていた食品に関する「飲食物摂取に関する指標」を暫定規制値として採用すると発表した。
 枝野官房長官は、この暫定規制値について、「このレベルを一生食べ続けても直ちに影響はない」と強弁している。では、暫定規制値のレベルで被ばく量はいくらかになるのかを確認した。暫定規定値に従えば、飲料水と食品の摂取だけで、1年間で17mSvの被ばく(実効線量)になると認めた。
 ・放射性ヨウ素(甲状腺への等価線量で年50mSv)、全身に換算すると年に約2mSv
 ・放射性セシウム 年5mSv
 ・ウランとプルトニウムはそれぞれ 年5mSv
 これらを合計して、食品だけで年に17mSvになると認めた。一般人の年間被ばく限度は1mSvである。暫定規制値は、食品からだけで、17mSvもの大量の被ばくを強要するものである。さらに、この暫定規制値を緩和しようとしている。これをやめるよう求めた。

●食品の暫定規制値では、「後になって健康影響がでるかも知れない」
 では、17mSvもの被ばくで、晩発性の健康影響はないのかと問うた。すると「後になって健康影響がでるかも知れない」と小さな声で答えた。非常にあいまいな表現ではあるが、後になって健康影響が出ないとは言えなかった。
 事実上、低線量被ばくでも後になって人体影響がでることを認めた発言だ。このように曖昧にではなく、事故の評価に即して、集団被ばく線量のリスク評価では、晩発性の人体影響が出ることをはっきりと人々に語るべきだ。
●飲料水や食品からの被ばくが、外部被ばく(空気や土壌から)+空気中の放射能の吸入による内部被ばくに加算されることは認めた。
このような被ばくの全体について、どこが管理しているのかは「分からない」

 人の被ばくは、飲料水や食品による被ばくに加え、空気や土壌からの外部被ばく、及び空気中の放射能の吸入による内部被ばくが加算され、全体としての被ばく量になることを認めた。それでは、これら全体の被ばくについてはどこが管理しているのかと問うた。すると、原子力安全委員会や原子力安全・保安院の名前などを挙げながら、結局「分からない」との答えだった。
 参加者からは、大気汚染の管轄は厚労省、食品の安全に関する管轄も厚労省、土壌汚染の管轄も厚労省、被ばく全体の管理は厚労省ではないのかと厳しい声が次々に上がった。しかし、厚労省側は何も答えることはなかった。
 放射能については全く知識もない。しかし、食品の暫定規定値を決めたり、「人体に影響なし」などを繰り返している。厚労省は、国民の生命と健康を守ることが最大の仕事であるはずだ。無責任にも程がある。

●人々の不安や苦悩を省みることもない厚労省
 これが厚労省だった。福島原発周辺の人々、「屋内退避」や避難指示が出ていない福島原発周辺の人々は、事故から既に2週間以上も被ばくの不安の中で暮らしている。手塩にかけて育てた野菜や原乳が、原発事故によって出荷制限・摂取制限となり、農業や酪農に従事する人々はこれからの生活に対する苦悩の中にある。
 厚労省は、このような人々の不安や苦悩を踏みにじり、省みることさえない無責任さだ。

 交渉参加者は、最後に、「3月28日厚生労働省との交渉を踏まえた要望書」(8項目)を手渡した。首相と厚生労働大臣宛のこの要望書は、その日の内に、福島みずほ議員事務所を通じて、官邸にもFAXで送付した。
 要望書では、住民避難の拡大や、農業・酪農従事者への被害補償、移転補償を行うこと等を求めている。

●厚労省と官邸に、抗議と緊急要望を送ろう
 無責任極まりない厚労省の姿勢を多くの人々に知らせよう。厚労省と官邸に対し、抗議の声をあげよう。
 大事故は起こらないと「安全神話」をふりまき推進してきた政府、電力会社、そして推進の学者達、これら全ての責任だ。
 緊急要望を送ろう。例えば、8項目の中で、緊急と思われるもの、皆さんの生活に関係が深いものなど一つの項目についてでも、政府に声を届けよう。

官邸FAX 03−3581−3883
厚生労働省 TEL:03−3595−2341 FAX:03−3501−4868
                                                                                                        (11/03/29UP)
−上記の声明文は次のアドレスにある
             
http://www.jca.apc.org/mihama/fukushima/mhlw_kosho110328.htm  

 
 
                           
美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会(美浜の会)
             大阪市北区西天満4-3-3 星光ビル3階                 TEL 06-6367-6580
    →http://www.jca.apc.org/mihama/

 
31 March, 2011開始
  美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会(美浜の会)

                      →http://www.jca.apc.org/mihama/
  私は、支持する。

 − 以下本文 →http://www.jca.apc.org/mihama/fukushima/gov_req110328.htm



3月28日厚生労働省との交渉を踏まえた
要  望  書

内閣総理大臣 菅 直人 様
厚生労働大臣 細川律夫 様


 3月28日の質疑の総括として、次の事項を要望します。

1.20〜30km範囲の「積極的自主避難」は無責任。直ちに避難指示を出すこと。
  線量に応じて避難範囲を拡大すること。

2.今回の事故によって住民に晩発的に現れる生命・健康への影響を明らかにするため、外部被ばく、大気中のヨウ素などの吸入による内部被ばく及び食品・飲料水からの被ばくの全体について、集団被ばく線量を随時計算して公表すること。

3.放射線作業者への基準値引き上げ(250mSv)を撤回すること。

4.モニタリング調査を拡大し公表すること。特に、
 ・各地の土壌汚染について、1平方メートル当たり何ベクレルかを測定し公表する
  こと。
 ・甲状腺の内部被ばく線量を測定し公表すること。測定条件を明らかにすること。

5.直ちに住民の被ばく・健康調査を実施し、長期にわたって健康管理を行うこと。

6.食品の暫定規制値を緩和しないこと。現行の暫定規制値でも住民に大量の被ばくを強要するものだ。

7.農業・酪農従事者への被害補償、移転補償を行うこと。

8.全体的に、公衆の線量限度である年1ミリシーベルトを厳守し、それを満たすような措置をとること。

2011年3月28日

  厚生労働省との交渉参加者一同

      連絡先:美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会
          大阪市北区西天満4-3-3 星光ビル3階 TEL 06-6367-6580 FAX 06-6367-6581
                                                                          (11/03/29UP)


 

page top

美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会(美浜の会)
             大阪市北区西天満4-3-3 星光ビル3階                 TEL 06-6367-6580
    →http://www.jca.apc.org/mihama/


人をつないで脱原発を目指す市民団体
   −グリーン・アクション−

  →http://www.greenaction-japan.org/modules/jptop1/
25 March, 2011開始
  美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会(美浜の会)

                      →http://www.jca.apc.org/mihama/
  私は、彼らの発した次の声明を支持する。

緊急声明(2011.3.23)
     野菜、原乳、水、土壌で高濃度の放射能汚染
政府の避難政策の無策と「安全宣伝」によって周辺の人々は避けることのできる被曝を強要されている
  ◆20〜30q圏内「屋内退避」のままの乳幼児と妊婦を即刻遠方に避難させよ
  ◆一層の被曝を避けるため、避難区域を抜本的に拡大せよ
  ◆内部被曝の危険、晩発性障害の危険(ガンや白血病など)を伝えない「直ち
   に人体に影響なし」の「安全宣伝」を撤回せよ

−以下 本文−      

 福島第一原発の大事故によって、野菜、原乳、水、土壌で高濃度の汚染が次々と確認されている。福島県を始め近隣県の広範な地域で、ほうれん草、キャベツ、小松菜、ブロッコリー等々の野菜、原乳の汚染が確認されている。
 東京の水道水から放射性ヨウ素131が検出され(約200ベクレル/g)、都は「1才未満の乳児への使用は控えてほしい」と発表している。原発から約40qの福島県飯舘村の水道水からは制限値(300ベクレル/s)の3倍以上の965ベクレル/sが確認されている。

 同じ飯舘村では、土壌も高濃度に汚染されている。土壌から16万3000ベクレル/sの放射性セシウム137が検出された。セシウム137の半減期は約30年と長く、長期にわたって土壌を汚染し続ける。このセシウム汚染は、「チェルノブイリ原発事故時の原発から数十から150q地点の汚染に相当すると推定される」と報道されている。

 このように高濃度の汚染が確認されている中、政府は野菜などに対し「出荷制限」、「摂取制限」を出しながらも、枝野官房長官は「一時的に食べても健康に影響はない。念のために出荷制限した」と繰り返している。政府がやっているのは、ただ一つ。汚染の状況と人々への健康影響を小さくみせることだけだ。避難命令を拡大することもなく、20〜30q圏内で「屋内退避」のままの乳幼児や妊婦は置き去りにされている。もはや周辺の人々は、政府の避難政策の無策と「安全宣伝」によって、避けることのできる被曝を強要されている。

 テレビのキャスターは、今頃になって「直ちに人体に影響がないとはどういう意味ですか?」と専門家に問いかけ、専門家は「すぐに影響は出ないが、長期間汚染された水を飲むのは控えたほうがいい」とのみ語り、晩発性のガンや白血病などの人体影響をはっきりと語ろうとはしない。

政府は、直ちに20〜30q圏内「屋内退避」のままの乳幼児と妊婦を遠方に避難させよ!
避難地域を抜本的に拡大せよ!
内部被曝の危険、晩発性障害の危険(ガンや白血病など)を伝えない「直ちに人体に影響なし」の「安全宣伝」を撤回すべきだ。

2011.3.23 21:30
  グリーン・アクション 代表:アイリーン・美緒子・スミス
     京都市左京区田中関田町22-75-103 TEL 075-701-7223 FAX 075-702-1952
  美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会 代表:小山英之
     大阪市北区西天満4-3-3 星光ビル3階 TEL 06-6367-6580 FAX 06-6367-6581
                                                                                             (11/03/23UP)


−上記の声明文は次のアドレスにある
       http://www.jca.apc.org/mihama/fukushima/fukushima_stmnt20110323.htm
 
 
                           

page top

『柏崎刈羽原発の閉鎖を訴える科学者・技術者の会』
Group of Concerned Scientists and Engineers Calling for the Closure of the Kashiwazaki-Kariwa Nuclear Power Plant
24 March, 2011開始
  
『柏崎刈羽原発の閉鎖を訴える科学者・技術者の会』/ブログ 
                                   →http://kkheisa.blog117.fc2.com/

    から、2011年3月23日、見解が出た(PDFファイル)。全文を読まれるように。

   −「福島原発震災」をどう見るか――― 私たちの見解 −   2011 年3 月23 日
                        柏崎刈羽原発の閉鎖を訴える科学者・技術者の会
                        〒160-0004 東京都新宿区四谷1-21 戸田ビル4 階

          →http://kk-heisa.com/data/2011-03-23_kkkenkai.pdf

   このページ(ファイル)の下に、転載したものがあります。 →こちら

page top



武田邦彦氏のブログ
 
19 March, 2011 午後 9:44:36変更
  
藤原新也の公式サイト:2011/3/16から:武田邦彦のブログの紹介がある。
        これを独立させた
                            →http://takedanet.com/

                 タイトル: 原発、緊急情報(1)〜(8) :他
   − 17 March, 2011 午前 9:18:56−
                タイトル 原発、緊急情報(9) が追加されている。
                以降のアップは追加しない。URLから見に行ってください。

page top



AFP通信のオンライン/日本語
21 March, 2011 午前 5:48:50開始
  
国際ニュース:AFPBB News   (AFP/日本語) →http://www.afpbb.com/
                            

   タイトル:福島原発、放射能汚染のシナリオ?・
            2011年03月20日 15:15 発信地:パリ/フランス

【3月20日 AFP】東京電力福島第1原子力発電所の事故によって考えうる放射能汚染の被害や処置はどのようなものだろうか。

■影響のある地域

・短期的影響

 日本政府は16日、福島第1原子力発電所から半径20キロの避難指示範囲圏外では、放射線による差し迫った健康への害はないと発表した。

 同日、在東京の米国大使館は、同原発から半径50マイル(約80キロ)圏内に住む自国民に対し、圏外に避難するか、屋内退避するよう勧告した。

「東京で健康に悪影響はない」と仏専門家

 フランス放射線防護原子力安全研究所(IRSN)のジャック・ルプサール(Jacques Repussard)所長は仏議会委員会への報告で、同原発から「半径数キロ」のある地区で放射性プルームが存在していると指摘した。同所長によると、この放射性プルームは数日以内に原発から数百キロの地域にまで及ぶが、原発から250キロほど離れている東京で健康に悪影響が出ることはないと同氏は言う。

・長期的影響

 放出される放射性物質の種類や量が未知数のため、さまざまなシナリオが考えうる。

 ルプサール所長は最終的に「強い汚染地域」は福島周辺半径60キロ範囲に及ぶ可能性があるが、その圏外では「測定可能な影響はあるだろうが、劇的な影響はないだろう」と語った。

 IRSNの環境的介入部門の責任者ディディエ・シャンピオン(Didier Champion)氏によると、福島原発の影響は「おそらくチェルノブイリ(Chernobyl)事故よりもさらに局所的影響にとどまるだろう」と話す。「そのマイナス面は、半径10〜20キロ圏内の汚染濃度はより高くなるとみられることだ。プラス面は、それより遠い地域の汚染は少なくなるとみられることだ」

■主な汚染源

 放射性廃棄物が長期にわたって健康に影響するのは大きな問題だ。

 福島原発から放出されると思われる汚染物質はヨウ素131とセシウム137だ。 半減期はヨウ素131が8日間、セシウム137は30年だ。半減期とは放射性元素が崩壊し、元の数から半減するのに要する時間のこと。通常、放射性元素の危険性が残る期間は、半減期の10倍とされる。

 放射性ヨウ素とセシウムは発がん物質で、大気中や飲料水から直接体内に取り込まれても、食物連鎖を通じて間接的に摂取されても健康に脅威となる。

 放射性ヨウ素は非常に揮発性が高く、大気に拡散しやすい。水源が汚染されたり、穀物や葉物野菜などに付着してそれが家畜や人間の体内に取り込まれたりすると危険だ。ヨウ素131の半減期は8日なので、数か月のうちに完全に崩壊する。


半減期30年のセシウム137、キノコ類や野鳥に蓄積しやすい

 セシウム137は1950〜60年代の核兵器実験によって大気圏に放出され、以降、汚染物質は崩壊してきているが、健康に害がない程度の量は誰もが浴びている。チェルノブイリ原発事故でもセシウム汚染が発生した。

 米環境保護局(US Environmental Protection AgencyEPA)によると、汚染された土壌がちりとなって大気中に浮遊したものを吸い込こんだり、汚染された水を飲んだりすると内臓が被ばくし、生体組織が侵される。植物ではセシウムは最初に葉の部分で、次に根に吸収される。またキノコ類や野鳥の体内に蓄積しやすい。


■除染

 放射能に侵された場所の除染は巨額の費用と長い時間がかかる危険な作業だ。

 汚染された土壌は取り除いて埋め立てるが、汚染された土壌自体がなくなるわけではない。特別な炉で土壌を焼却処理して有害物質を無害にする方法もあるが、非常に費用がかかる上に技術的にも難しい。汚染された土壌を溶剤と混ぜて洗浄し、汚染物質を含む廃液を処理する方法もある。

 水の汚染の場合は合成繊維のフィルターでろ過して固体粒子を捕捉するが、この方法が有効なのは汚染レベルが低い場合に限られる。水を沸騰させて固形化した汚染物質を分離する電気透析法による脱塩(放射性イオンの除去)も有効だ。

 損壊した原子炉は閉鎖された後も長期間にわたり放射線を出しつづけるが、これを封印する方法には何種類かある。チェルノブイリの場合はコンクリートと鉄筋製の「石棺」を建設して封印したが、この応急的な構造物には亀裂が入り、建て替えが進められている。

この記事の情報源:米環境保護局(EPA)、国連食糧農業機関(FAO)、フランス放射線防護原子力安全研究所(IRSN)

(c) AFP/Marlowe Hood

−以下は、私(龍)のコメント:

放射性プルーム。放射性雲、気体状の放射性物質が大気とともに雲のように流れる状態。安全や健康について政府、自治体は、今まで流してきた下のような説明を超えた説明をすべきでしょう。今、発表されているそれらからの情報は、今までをまったく踏まえず説明せず、新たのガイドラインを作っているように思える。法律をすら無視している。

   −、以下は、
文部省 原子力安全課 原子力防災ネットワーク「環境防災Nネット」の中のQ&Aからの引用−

Q.5 もしも放射性物質がもれたらどうなるのですか?

A5 気体状の放射性物質が大気とともに雲のように流れる状態を放射性プルーム(放射性雲)と呼びます。
放射性プルームには放射性希ガスと放射性ヨウ素が含まれ、外部被ばく、内部被ばくの原因となります。

 原子力発電所は信頼性の高い材料、機器により余裕をもった設計がなされています。また、万が一、原子炉に異常が生じたとしても、原子炉機器が安全に停止するように設計されています。その他にも、冷却材の配管が破損し冷却材が漏れたときなどには、加熱による燃料破損を防ぐための「非常用炉心冷却装置」等の設備も備えるなど多重の防護対策が施されています。

 原子力発電所は信頼性の高い材料、機器により余裕をもった設計がなされています。また、万が一、原子炉に異常が生じたとしても、原子炉機器が安全に停止するように設計されています。その他にも、冷却材の配管が破損し冷却材が漏れたときなどには、加熱による燃料破損を防ぐための「非常用炉心冷却装置」等の設備も備えるなど多重の防護対策が施されています。

<事故の時に考慮しなければならない放出放射性物質>
 原子力施設で緊急事態が発生し、気体状の放射性物質が漏れると、放射性プルームと呼ばれる状態で大気中を流れていきます。
 放射性プルームには放射性希ガスが含まれ、また事故の様子によっては放射性ヨウ素およびセシウム137やプルトニウムのような粒子状物質が含まれる場合もあります。

<放射性物質から人が受ける放射線>
 放射性希ガスは、地面に沈着せず、呼吸により体内に取り込まれても体内に留まることはありません。
 しかし、放射性プルーム(放射性雲)が上空を通過中に、この中の放射性物質から出される放射線を人は受けます。
 これを「外部被ばく」といいます。放射性ヨウ素は、放射性プルームが通過する間に地表面などに沈着します。このため、通過後も沈着した放射性ヨウ素からの外部被ばくがあります。
 また、放射性プルームの通過中の放射性ヨウ素を直接吸入すること及び放射性ヨウ素の沈着により汚染した飲料水や食物を摂取することによっても放射性ヨウ素を体内に取り込むことになります。
 体内に取り込んだ放射性物質から放射線を受けることを「内部被ばく」といいます。


page top

東洋経済オンライン 17 March, 2011 午後 8:19:18開始

  
東洋経済オンライン:
       福島原発事故、ヘリ、放水車は冷却に無力、最悪な事態に備えた対応を(1)
                                            - 11/03/17 | 19:45

 →http://www.toyokeizai.net/business/society/detail/AC/eb1319139f189515ebfe759be275f9a5/

以下本文

福島原発事故、ヘリ、放水車は冷却に無力、最悪な事態に備えた対応を(1)- 11/03/17 | 19:45

 「止める」「冷やす」「閉じこめる」は原発事故での三大原則。3月11日に発生した東日本大震災による福島第一原子力発電所の事故では「冷やす」ことが完全にできず、事態を悪化させている。地震と津波により冷却系統が想定以上に破壊されたことが要因だが、冷却機能が再び機能し、放射能の拡散を減らすことはできるのだろうか。

 東京電力によれば、1号機は「原子炉への海水注入を実施中」、2号機も1号機と同じ、3号機は原子炉脇にある使用済み燃料プールを冷却するため、17日の午後にヘリコプターによる空中からの放水を実施した。

 現場では被曝の危険を顧みず、職員たちの必至の作業が続いているが、どこまで冷却できるのか。現在得られる情報の範囲内では、以下のようなことが判断できそうだ。

政府・東電の情報では原子炉格納容器の無事は不明
 
 現在実施中、あるいは検討されている注水作業について見てみよう。

 ヘリコプターによる放水は17日に実施されたが、効果はなかったはずだ。ヘリコプターはローターの回転により下向きに強い風を発生させる。そんな場所から水を放出しても、その水は水滴になるだけで原子炉まで届かない。ましてや、冷却できるほどの水は溜まらない。開始してすぐに中止されたが、このようなことは原子核物理学のような高尚な学問ではなく、常識的なことだ。自衛隊の幹部からは効果がなく、しかし被曝の恐れだけは強い試みに対して進言はあっただろうが、おそらく判断力の低下した官邸では受け入れられなかっただろう。貴重な隊員、貴重な航空燃料。全体を冷静に管理する能力が残っているか懸念される。

 放水車による放水も、どこまで効き目があるのか疑問だ。どこまで正確に放水できるのか、また冷却できるだけの十分な水を原子炉の中にどこまで貯められるのか。効果的なのかはわからない。水は放物線を描いて投射される。原子炉建屋の頂点に位置する燃料プールに適切に水がたまり得ないことは、これも中学生のレベルで理解できることだ。前代未聞の経験に対処している東京電力など現場の作業は、場当たり的な命令にさぞかし困惑していることだろう。

 そこで、次のような疑問が湧く。政府や東電は、格納容器の状態をどこまで把握しているのか、だ。


福島原発事故、ヘリ、放水車は冷却に無力、最悪な事態に備えた対応を(2)
 原子力安全・保安院によれば、福島第一原発1号機は「原子炉圧力容器と格納容器の健全性は保たれている」、3号機は「格納容器の破損の恐れ」、2号機は「圧力抑制室が損傷した恐れ」としている。

 ただ、「(圧力容器の)下部に損傷はないかもしれないが、上部の損傷の有無はどう確認したのか」と立命館グローバル・イノベーション研究機構の亀井敬史研究員は疑問を呈する。2号機を含め、格納容器の下は目視できるが上部は圧力容器も含めてコンクリートで囲まれて確認できない。唯一可能なのは、圧力容器の上部にある燃料交換用のコンクリートの蓋を開けて目視観察した場合だけだ。もし圧力容器と格納容器が健全であれば、12日時点での放射能は弱かったはずだ。まず第一に確認すべきはこの点と思うが、実際に確認していないのに憶測で確認したと判断したとすれば問題だ。1、3号機は水素爆発を起こし、格納容器を取り囲む建屋上部が吹き飛ばされたという。その際、格納容器は損傷していないのかとの不安が湧く。ただし、原子力安全・保安院は、水素爆発を「推定」としている。

 それでも1、3号機は格納容器の下部に損傷がなければ、注水すればそれなりに水は溜まる。だが、漏洩していたり蒸発しているため、注水は続けなければならない。上部がもし損傷していれば、効果は減少する。そもそも、注水した水がどこかから蒸気として外部に出て行かなければ、注水を続ける必要もない。また、2号機は底が抜けているため、溜まるまで継続して多くの水を注がなければならないのが現状だろう。水を送り込むためのポンプ車の規模などもわからず、この作業がどこまで続くのかについても情報が出てこない。

 2号機の使用済み燃料プールを囲っているのはコンクリート。ここにはコンクリートだけでは必ず漏れるので、プールの内側に「ライナー」と呼ばれる薄い金属板が貼られている。このライナーが破れていると、結果的にプールからも燃料が漏れてくる。だが、ここの現状も確認されていない。


福島原発事故、ヘリ、放水車は冷却に無力、最悪な事態に備えた対応を(3)
 米軍の無人飛行偵察機「グローバルホーク」が上空からの撮影を行うようだが、その写真の分析も早く待たれるところだ。しかし、わが国の民間企業には、海外への輸出が規制される「無人ヘリコプター」を商品化しているところがある。これは国防上の問題にもなったぐらいだ。そのような国防にかかわるようなことを、即座にこのような事態に活用する発想は、政権内部には一人もいなかったのだろうか。いうまでもないが、グローバルホークは飛行機であり、原子炉建屋の上空でホバリングもできないし、内部に入ることもできない。無人ヘリコプターは内部にすら入ることができる。冷静な思考と、さまざまな可能性を有機的に組み合わせる本当の意味での危機管理機能はわが国にはないように感じられる。

最悪の事態を想定した対処は行われているのか

 元東芝社員で原子炉格納容器設計者である後藤政志氏は、「断言はできないが、格納容器は破損していると思う」という。設計段階ではあらゆる危険性を考えたうえで設計するが、「(地震に津波が重なったために)多重故障が発生したため、安全システムがすべて作動しないという最も恐れていることが起きた」と説明する。

 では、十分に原子炉を冷却できないと、どのような事態が待っているか。最悪は、放射性物質の大量放出を止められないということだ。

 後藤氏は、今後予想される危機を以下のように説明する。まず、原子炉の冷却ができないと炉心が溶融して原子炉の底に溶融物が落ちる。さらに冷却ができないと、原子炉圧力容器の底が抜ける。底まで落ちた溶融物はコンクリートと反応し、大量の水素ガスなどを出す。そして、この段階で格納容器が破損するので、外部に大量の放射性物質が放出される。

 溶融物が発生した段階で冷却のために水を投入することも難しい。というのも、溶融物に水を注ぐと一気に水蒸気爆発が起きるためだ。水蒸気爆発は、火山から流れ出たマグマが海面などと触れあうとすさまじい蒸気を発生させることを思い浮かべるといい。原子炉の場合、燃料被覆管に使われているジルカロイ合金が摂氏1400度で溶融を始め、その溶融体が冷却水に落ちると水蒸気爆発が起こりうる。

 後藤氏はさらに先の危機シナリオを提示する。


福島原発事故、ヘリ、放水車は冷却に無力、最悪な事態に備えた対応を(4)
 冷却がうまくいかないと、事故の内容が進むにつれて水素爆発や水蒸気爆発、あるいは再臨界が起こりうると、後藤氏は警告する。再臨界とは、落ちた溶融物のなかには核分裂を進めうる燃料が残っており、それが勝手に臨界を始めるというもの。原子炉へのホウ酸の撒布が検討されているのも、この再臨界を防ぐためだ。

 水素、水蒸気爆発など大規模な爆発現象が発生すれば、放射性物質が大量に飛び出し、チェルノブイリ原発事故と同じような事態を招く可能性がある。爆発を起こさなくても、徐々に放射性物質が外部に出続ける可能性があると、後藤氏は言う。いずれにしろ、深刻な事態が継続することは間違いない。

 いたずらに危険を煽るのではなく、現状を把握して最悪の事態を想定したうえで対処すべきなのだが、それが行われているかはとても心許ない。それが余計に不安を煽る。
(福田 恵介 =東洋経済新報社オンライン)


  −以上 −

page top

  16 March, 2011 午後 10:28:42開始

  
藤原新也の公式サイト:→http://www.fujiwarashinya.com/
                 
   − 19 March, 2011 午後 9:48:33−追加文
      3月19日から、被災地に入った彼は、ケータイを使って、逐次UPしている。

 −その中の一文−走る車の中で、ここまで書ける彼の胆力に敬服する。是非、彼の声を、彼が今被災地にいる彼の声を聴いて欲しい。

19 March, 2011 21時04分

走行中。

この大惨状は新聞テレビが報じているように点ではなく線で見なければその巨大さがわからない。

暗闇の中を尽きることなく延々と続く被災荒野。

これが結局青森から茨城、そして千葉まで続くということ。

自衛隊はいまだに死体を捜している。

ごくろうさんだけど白い歯を見せていたヤツもいたな。

これだけの破壊は広島原爆何十発分に当たるのだろう。

いや何百発か。

線で見せることは動画のみが可能だ。

テレビは青森から千葉まで延々と映像を流すべき。

だが聞くとことによるとテレビ民放各社は溜まりにたまった録画娯楽番組を便秘のクソのようにいっせいにたれ流しはじめたとのこと。

ニュース以外はテレビを消そう。

ウンコ番組は見ないよう。

それは人間の矜持だ。

赤いテールランプが連なりはじめた。

渋滞か。

メシが遠い。


page top

 
16 March, 2011 午後 5:22:344開始

  ナショナルジオグラフィック:福島原発、危機は回避できるか?(1):から転載
                     →http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=20110315001
以下本文(写真は除いた)


福島原発、危機は回避できるか?(1)

3月11日の東北地方太平洋沖地震により、福島第一原子力発電所で爆発事故が発生。首都圏を事業地域とする東京電力は沈静化に努めているが、地震リスクが想定をはるかに超える可能性は4年前の時点で既に警告されていた。現在、6基中3基の原子炉プラントで、炉心溶融回避に向けて全力が注がれている。14日午前に起きた2度目の水素爆発からは、予断を許さない状況が明らかになった。

 東京電力は2007年に1度、柏崎刈羽原子力発電所で危機回避に成功している。当時、この世界最大の原発は想定の3倍に当たるマグニチュード6.8の新潟県中越沖地震に被災した。

 世界の原子力産業では地震規模のリスク過小評価をきっかけに懸念が広がり、調査が一斉に開始されたが、東京電力はむしろ原子力発電所の優れた耐震性を強調した。重要な安全システムが正常に機能していたからだ。しかし、アメリカワシントンD.C.に拠点を置くエネルギー環境研究所(IEER)の所長アージュン・マキジャニ博士は、「ラッキーだっただけ」と結論付けている。

 いずれにせよ、東京電力の地震リスク評価はあらためて厳しい目にさらされることになる。

◆リスクの尺度

 福島第一原発では、冷却機能の停止により核燃料の一部が既に溶け始めている可能性があるが、確認はできていない。しかし地震の尺度のうち少なくとも1つが、確実に危険信号を発している。11日の地震で記録された震源地の最大地動加速度(振動)が、第一原発の想定の2倍に達していたのだ。

 米国原子力エネルギー協会(NEI)の資料によると、福島第一原発は0.18Gを想定していたが、今回の地震は172キロ離れた震源地で0.35Gを記録したという。

 ただし、結論を出すのは、発電所での実測値が発表されてからでも遅くない。揺れの測定値はわずかな距離の違いでも大きく異なる場合があるという。NEIの広報担当者ミッチ・シンガー氏は、「今回は地震そのものより津波の被害が大きかった」と言う。冷却機能の作動に欠かせない非常用ディーゼル発電機を止めてしまったからだ。「マグニチュード9.0の地震が起きても原子炉の構造は完全性を保っていた。津波で発電機が止まるまでは、全システムが正常に機能していたんだ」。

 事故要因から地震を外すのは早すぎるとの意見もある。前出のマキジャニ博士は、「確かにほとんどのダメージを津波がもたらした可能性はある。しかし発電機の停止原因は現時点では誰にもわからない。振動が犯人の可能性もまだ残されている」と指摘する。

 14日午前に3号機で発生した水素爆発は、原子炉建屋の天井を吹き飛ばした。2日前に同様の爆発が1号機でも起こっている。2号機は冷却機能を完全に喪失、原子炉内の水位が低下し、燃料棒が完全露出の状態に至ったという。この状態が続くと燃料棒の温度が上昇して溶融する可能性がある。

 放射能の測定値から判断して、溶融は既に始まっていると見る専門家もいる。しかし国際原子力機関(IAEA)は、「原子炉の格納容器に損傷はなく、放射能漏れは起きていない」と強調する。約60キロ離れた福島第二原発も最初こそ電源スイッチが浸水して冷却機能が麻痺したが、その後は安定を保っている様子だ。

 現在は第一原発半径20キロ圏内からの避難指示が出ており、住民18万人以上が退去している。政府は予防対策として23万セットの安定ヨウ素剤を避難所に配布した。ヨウ素の事前摂取には被曝者の甲状腺癌(がん)発病を防ぐ効果がある。

≪(2)に続く≫

Satellite photograph from DigitalGlobe/Getty Images
17 March, 2011 午後 3:53:28追加
  ナショナルジオグラフィック:福島原発、危機は回避できるか?(2):から転載
            →http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=20110315003
以下本文(写真は除いた)

福島原発、危機は回避できるか?(2)

◆冷却の失敗

 日本の電力供給の3割は、1966年以降に建設された54基の原子力発電所に依存している。3月11日の地震と津波の発生以後は、約11基の原発が停止している。業界筋によると、福島第一原発も含めてすべて設計通りに作動し、核分裂反応が自動的に停止したという。


page top

  16 March, 2011 午後 8:04:53 再掲

  毎日新聞:特集ワイド:東日本大震災 福島原発事故、専門家に聞く 最悪の事態、制御できるのか:から転載
     →http://mainichi.jp/select/weathernews/news/20110316dde012040006000c.html
 以下本文

東日本大震災による東京電力福島第1原子力発電所の被災は、高濃度の放射能漏れという最悪の事態に発展した。政府は国民に対して「冷静」を求めるが、なぜ、原発の暴走を制御できないのか。安全は保たれるのか。それぞれの立場から専門家に聞いた。

 ◇まずは外出せぬこと−−名古屋大教授・量子工学専攻、井口哲夫さん(56)

 今回の事故では、既に放射性物質のセシウムが周辺に放出されている。放射性物質が発する放射線は、細胞の遺伝子を傷つけてがんの発生リスクを高める。大量に被ばくすると直ちに人体に影響が出て、リンパ球の減少などが起きる。リンパ球をつくる骨髄は特に放射線のダメージを受けやすいからだ。

 一般人の1年の被ばく限度は1ミリシーベルト。15日に3号機周辺で記録された放射線量は時間当たり400ミリシーベルトでその350万倍。リンパ球の減少が起きるとされるのは累計500ミリシーベルトで、観測した場所に1時間半程度いればその値に達する状態になった。

 セシウムなどは静止状態では地面に落ちるが、風に乗ればほこりなどに付着して遠くに運ばれ、最後には路面や家の屋根に落ちる。外に干した洗濯物、歩いている人の衣服や皮膚にもくっつく。既に避難や屋内退避の指示が出ている地域は、そこの屋外に長時間いれば健康を害する恐れがあると、国も認めているということだ。

 放射性物質が飛来する危険が迫った場合はまず外に出ないこと。体に付いた可能性があれば、セシウムなどは水に溶けるので、手洗いしたり、シャワーを浴びれば落ちる。一番大切なのは体内に入れないことだ。放射線を出す能力が半分になる半減期はセシウムで30年。粘膜などに付着すると、長期に影響が出る。外出する必要があるならマスクやゴーグルを着け、ぬれたタオルで鼻などをふさぐのが効果的だ。

 自分が住む地域の放射性物質の量がどの程度かは気になるだろう。自治体は放射線量を測定するモニタリングポストを設置しており、公的な情報に注意してほしい。数値が大きく変動しなければ過剰な心配の必要はない。通常なら時間当たり0・1マイクロシーベルト程度。100倍でもまだ、人体に影響が出る程度ではないとみられるが、心配ならば、食べ物は水洗いすればいいだろう。【宮田哲】

 ◇気になるのは2号機−−元原子炉設計技術者の科学ライター・田中三彦さん(67)

 直接目で見ることも近づくこともできないから、肝心の「原子炉圧力容器」や、それを格納する巨大なフラスコのような形の「格納容器」中でいったい何が進行しているのか誰にも分からない。その状況で作業をせねばならないところにこの問題の深刻さがある。

 多くの人の命がけの作業にもかかわらず、12日に福島第1原発1号機は水素爆発を起こし、翌々日には3号機がより規模の大きい水素爆発を起こした。一方、2号機は14日、原子炉圧力容器内には冷却水がほとんどなくなり、燃料棒がむき出しになった。そればかりか、格納容器の一番下にある「圧力抑制プール」というドーナツ形の構造物の近くで爆発音が起きたとの発表や、圧力抑制プールが損傷したらしいとの報告もあった。断定はできないが、恐らく圧力抑制プールの中で水素爆発が起き、そのために損傷したのだろう。損傷が大きければ、圧力抑制プールから放射性物質が格納容器の外にばらまかれた可能性もある。さらに4号機でも突然火災が起きた。5号機、6号機の燃料貯蔵プールの温度が上昇しているという報告もあった。地震発生時に定期検査中だった4〜6号機にいったい何が起きつつあるのか、これも気がかりだ。

 福島第1原発のうち特に気になるのは2号機。考えうる最悪のストーリーは、燃料棒が溶けて原子炉圧力容器の底に落下すること。原子炉圧力容器や格納容器は鋼鉄製だが1500度ぐらいで融解する。大量の燃料棒が溶融して落下すれば、やがて原子炉圧力容器の底は溶けてしまうだろう。“その後”どうなるかは誰にも分からないが、地下水脈に触れて大規模な水蒸気爆発を起こす可能性もある。そうならないようにと、2号機の原子炉圧力容器への必死の海水注入作業が試みられている。この深刻な事態が一刻も早く沈静化されることを祈らざるを得ない。【本橋由紀】

 ◇悪条件が重なった−−近畿大原子力研究所長・伊藤哲夫さん(62)

 高濃度の放射能漏れが起き、想像を絶する大変な事態になった。残念だが、想定した以上のことが起きた、としか言えない状況だ。

 福島第1原発は、これまでの災害から考えられる安全対策を、何重にも施してきたと考えている。

 マグニチュード9という大地震は海外では起きているが、国内では予想を絶する大地震だった。それによって、次第に手の打ちようがないところまできている。

 建設時の安全審査においては地震規模はマグニチュード8程度を想定し、さらに地震を起こす断層は13万年前までさかのぼって調査していた。ここは1971年に営業運転を開始しているが、古いから悪い、というものではないと私は思う。

 1号機、3号機の爆発は水素爆発による原子炉建屋の破壊だった。2号機や4号機でもそれぞれ爆発や火災が起きている。対策としては、原子炉の中を少しでも冷やせる状態を確保して、事故の拡大を防ぐことに全力を注ぐしかない。

 東京電力は詳しい情報をもっと速やかに出すべきだと指摘されているが、今は人災だと責める段階だとは言えないと思う。

 そもそもインフラが切断されてしまったので、冷却処理するための水、さらには作業のための電源も確保ができなかった。これは考えられないことだった。悪条件がすべて重なってしまったのだ。「誰の責任だ」とは言えないだろう。

 福島第1原発で次々と爆発が発生し放射能漏れが伝えられるが、そのたびに菅直人首相は記者会見において、国民に冷静な対応を求めている。政府が避難指示を出している限りは、それに従ってほしい。

 今回事故のあった原子炉が今後どうなっていくのかも、今は予測ができない。ただ、原子力発電の先進国・日本のこの事態を受けて、世界的にも原子力行政の見直しが進んでいくのではないか。【江畑佳明】

 ◇想定すべき人災−−ノンフィクション作家・広瀬隆さん(68)

 これは人災だと考えています。その責任の所在は東京電力だけでなく、菅直人政権、経済産業省の原子力安全・保安院、原発を推進してきた大学や大学院教授らにもあると言えますよ。

 津波発生は日本の宿命で、1896(明治29)年の「明治三陸沖地震」では高さ38メートル以上の津波が起こっている。だから「想定外」という表現は当たらない。想定すべきだったんです。

 原子炉設備とその周辺には膨大な配管、配線があって、津波と地震の揺れで相当な影響を受けたと見るべきです。電源系統がだめになっているから、非常用のディーゼル発電機が動かなかった。

 配線にダメージを受けている中で、コントロールルームが機能しているのか。膨大なデータを処理する能力が維持されているのか。計器を信用してよいのか。それも分かりません。

 そもそも、東電は原発の単なる「運転者」なんですよ。詳細な構造は原発メーカーの技術者でないと分からない。保安院の職員も分からない。これを解説している学者も「現場」を知らない。

 メディアはなぜ、東電や政府の発表を垂れ流すのでしょうか。放射能が漏れていても「直ちに人体に影響を与えない」と繰り返しています。しかし、発表されているのは1時間当たりの数値。365日×24時間で計算してみなさい。想像力もなく、レントゲン並みとか自然界の何分の1と報道している印象です。漏れるという「異常」に対する驚きも怒りも薄れている。

 福島から排出された放射線は宮城県の女川原発付近でも検出されましたし、風向きによって関東地方にも達しています。

 仮に最悪の事態に至ったならば、放射能汚染は1週間ぐらいかけてじわじわ列島を包んでいく。逃げる場所は全くありません。

 これが原発の震災、人災なんです。【根本太一】




page top

BraveNewClimate
           から
原文(英語)
http://bravenewclimate.com/
2011/03/13/fukushima-simple-explanation/


訳文(日本語)
 福島原発事故-簡潔で正確な解説(version3)
(東京大学エンジニアリング在学生の翻訳(thanks to Shota Yamanaka for translation)

http://bravenewclimate.files.wordpress.com/
2011/03/fukushima_explained_japanese_translationv3.pdf
16 March, 2011 午前 9:46:08開始

「原発事故起こりえぬ」東電の努力/「ふざけるな」サンド伊達が悲痛
          ドア日新聞 [news_maimagl@livedoor.net] 送信日時: 2011/03/16 (水) 5:08
を受信した。

【経済】「原発事故起こりえぬ」東電の努力http://ck.mailmag.livedoor.com/ck/20110015f517e6998e125de56a/
  をクリックしたら
LIVEDOORニュースの下のタイトルに移動した。

 MIT研究者Dr. Josef Oehmenによる福島第一原発事故解説
                        http://news.livedoor.com/topics/detail/5414245/
  
をクリックしたら
  本文が出てきた。その中の追記で、オリジナルの翻訳文がPDFファイルがあるとのこと

  BRAVENEWCLIMATE
        http://bravenewclimate.com/2011/03/13/fukushima-simple-explanation/
 
    の中に
   
福島原発事故-簡潔で正確な解説(version3):(東京大学エンジニアリング在学生の翻訳(thanks to Shota Yamanaka for translation)
   2011/3/13 Barry Brook 投稿(http://bit.ly/gc9jeH)  2011/3/14 山中翔太訳
http://bravenewclimate.files.wordpress.com/2011/03/fukushima_explained_japanese_translationv3.pdf

  があった。
    ここで初めて新しいソースにぶつかった。
 しかし、メールにある「
原発事故起こりえぬ」東電の努力」の記事は見当たらない。不愉快だ。

  でも、この翻訳されたオリジナル原文
    
Fukushima Nuclear Accident-a simple and accurate explannation
     と上記の日本語訳文へのリンクが出てきた。
  私の気分は、その文章の技術的誠実さ、現実対応とは裏腹に、いか様にも利用されうる脆弱性をもあわせもってるなあ。 それが、今日までの科学の戦争利用と平和利用の二元的価値への分裂、と普遍性を持ちえない、普遍性獲得に向けた千年王国建設論、あるいは待望論になってんのじゃないの。

  


page top

 

16 March, 2011 午前 9:46:08再掲載

  これだな 原子力資料情報室 の公式ページ →http://cnic.jp/



  @原子力資料情報室記者会見(12.3/2011)/videonews.com
                            →http://www.ustream.tv/recorded/13269582


  A原子力資料情報室会見(13.3/2011)
                              →http://www.ustream.tv/recorded/13293527

  B外国特派員協会で原子力資料情報室が記者会見(13.3/2011)/videonews.com
                               →http://www.ustream.tv/recorded/13295291

  C外国特派員協会で原子力資料情報室が記者会見(14.3/2011)/videonews.com
      その1(記者会見がはじまらないまま、終了)→ http://www.ustream.tv/recorded/13320309
      その2(続き)                   →http://www.ustream.tv/recorded/13320522

   このvideoをアップしているこのサイト ustreamのAbout Us
                                → http://www.ustream.tv/about

  この数日で、私が初めて、信頼していい情報(記者会見)だなと思ったサイトです。

  NHKで原発の専門家と紹介され解説している 東大教授 関村直人、この人が、
  こんな所で、主査を務めている
        →http://www.pref.fukushima.jp/nuclear/info/pdf_files/110225-5.pdf

 

page top

24 March, 2011 
  下の文章は、
「福島原発震災」をどう見るか―― 私たちの見解

  PDFファイルを変換したものです。改行や、段落、字送りを変更している。引用や参照をされる場合、原典からお願いします。
 
  「福島原発震災」をどう見るか――― 私たちの見解
                 2011 年3 月23 日柏崎刈羽原発の閉鎖を訴える科学者・技術者の会
                  〒160-0004 東京都新宿区四谷1-21 戸田ビル4 階事務局携帯070-5074-5985
                  http://kkheisa.blog117.fc2.com/ E-mail kk-heisa@takagifund.org
                  郵便振替口座:00140-0-687327 加入者名:柏崎刈羽・科学者の会



  福島第一原発では、2011 年3 月11 日の東北地方太平洋沖地震発生から10 日以上を過ぎた今も、
原子炉炉心の冷却が進まず、この重大事故がどのように収束するのか予断を許さない深刻な事態が
続いています。
  現在の事態が示しているのは、日本全土に立地する原発が、地震・津波に対して、いかに脆弱で
あるか、他の場所で大きな地震が起これば、第二、第三の「福島原発震災」が再現する可能性が十
分あるということではないでしょうか。とくに、2007 年の新潟県中越沖地震で被災した柏崎刈羽原
発、想定東海地震の震源断層真上の浜岡原発などで、近い将来、福島原発と同様の事故が起こる危
険性を過小に見積もることはできません。
  先の地震で被災した柏崎刈羽原発の安易な運転再開を危惧してきた私たち「柏崎刈羽原発の閉鎖
を訴える科学者・技術者の会」では、この深刻な事態をどのように受け止めるべきか、また、事業
者や政府に何を要求すべきかを議論しました。私たちの考えは以下の通りです。


1.福島原発では何が起こり、今どういう状態にあるのか

  情報の公開が不当にも極めて不十分な現状において、明確な事故進展経過を描くことはできない。また、
炉内の計測器(温度計など)の多くが破損されたと思われる状況では、今後とも真相が分からぬままに終わ
るという可能性もある。知りえた情報のもとでの私たちの現状認識は次の通りである。
  福島第一原発では、1 号・2 号・3 号機が運転中であり、4 号・5 号・6 号機は定期検査中であった。また、
第二原発では全4基が運転中で、運転中の原子炉は、地震の際、いずれも制御棒が自動挿入され、燃料の核
分裂反応は停止した。しかし、福島第一原発では外部電源が喪失し、しかも、非常用のディーゼル発電機が
故障し、燃料タンクも流出したと伝えられている。その結果、停止後直ちに必要な炉心冷却が不可能になっ
た。

・原子炉圧力容器と格納容器
冷却水を喪失した福島第一原発の1 号・2 号・3 号機内では、核分裂生成物の崩壊熱によって炉水が蒸発し
て水位が下がり、燃料棒が水面上に露出してしまった。この状態が継続すると、燃料棒の溶解(メルト)は
時間の問題であった。
  東京電力は、外部から消防ポンプを配管につなぎ原子炉内に水を注入しようとしたが、給水タンクから水
を供給できなかったためであろう、注水に失敗し、炉の水位は低下し続けた。1 号機においてそのような事態
が確認された時点で海水を用いての給水が検討されたが、原子炉が廃炉となることを怖れて見送ったと伝え
られている。海水による給水が決断されたのは1号機の水素爆発が起こってからであった。この間に事態は
急激に悪化していた。
  炉水が蒸発して原子炉圧力容器内の圧力が上昇すると、その圧力を低減するため、安全弁が開き、圧力容
器内の水蒸気が、格納容器の圧力抑制室(サプレッションチェンバー)に送られるようになっている。その
とき、圧力容器内の水位が下がるので、安全弁を継続的に開いていると、燃料棒が水面の上に露出する。冷
却水を失った燃料棒の温度が上昇し、燃料棒の被覆管であるジルコニウム合金(ジルカロイ)が、水蒸気と
化学反応を起こし、水素が発生したと考えられる。
  この格納容器に送られた水素が、1 号、2 号、3 号機の爆発の原因であると考えられるが、1 号と3 号では
建屋上部で水素爆発を起こし、2 号は下部の圧力抑制室で爆発がおこった。なぜそのような違いが生じたかは
検証が必要である。2 号機の圧力抑制室をはじめ、各号機の原子炉や配管などが、地震の影響で、すでに破損
していた可能性がある。

・使用済み燃料プール

  3 月15 日に、4 号機の使用済み燃料プールで水素爆発が起こり、続いて16 日に3 号機が白煙をあげた。
これは、炉内から取り出して保管されていた使用済み燃料が、プール内の水が減ったことにより大気中に露
出し、水蒸気と反応して発生した水素が酸素と反応して爆発を起こしたと考えられる。
  プール内で燃料棒が露出した原因としては、通常の蒸発だけでなく、地震の際のスロッシング(燃料プー
ルが揺さぶられたことによって水面が上下すること)によって、プール内の水が、大量にこぼれて出たので
はないかと考えられる。
  3 号機・4 号機の燃料プールには、その後、消防車等による海水の放水がおこなわれたが、最終的には電源
を回復してポンプを起動し、冷却水を循環させることが不可欠である。
  なお、3 号機、4 号機への大量の放水によって、放射能に汚染された水が海や地下水に流れ込むことが懸念
され、実際、すでに原発近辺の海からは規制値を大幅に超えるヨウ素ならびにセシウム等の放射性物質が検
出され始めた(3 月22 日東電発表)。

・さらなる事故拡大の懸念

  3 月21 日になって原発サイトには外部電源が引かれたが、23 日朝の段階で、いまだ機器への接続はなされ
ていない。いつになったら原子炉内の冷却水の循環が正常に行われるのか、見通しは立っていない。崩壊熱
の量は時間とともに減少するとはいえ、現在かろうじて維持されている放熱と冷却とのバランスが崩れて、
溶けた燃料が沈下し、圧力容器や格納容器の底を抜く危険性は消えていない。また、再臨界の可能性もある。
  東京電力は、3 月14 日と15 日に、中性子線の放出を観測したと報道されている。これが事実だとすれば、
再臨界が起こって核分裂反応が生じた可能性がある。再臨界は、原子炉内だけでなく、燃料プールでも起こ
りうる。地震の際、クレーンやマニピュレーターが落下し、燃料棒を隔離・保持していたラックが崩れ、燃
料棒同士が接近した可能性が否定できない。


2.放出され続けている放射能の危険性について

  福島第一原発からの放射能(放射線物質)の放出が続いている。原発敷地周辺で高濃度の汚染が観測され
るとともに、東日本の広い範囲にわたって原発事故に起因する放射能が観測された。福島県や関東各県では
農産物(牛乳やホウレン草)で食品衛生法の暫定基準値を超える汚染が報告された(3 月21 日)。また、原
発サイト周辺の海水の汚染も確認され、海産物への影響も心配である。
  放射能汚染のレベルをどのように考えるべきなのか、避難の行動をとるべきなのかどうか、また農産物を
食べてよいのかどうか。それらの問題について私たちの考えを述べたい。
放射性物質の放出量について東京電力は何らの発表を行っておらず、そのことが放射能汚染の全容を把握
することを困難にしている。また観測モニタの測定値についての報告も不十分である。各都県の測定値と、
それにもとづいた拡散シミュレーションも発表されていない。このような状況が、汚染についての適確な判
断を下すことを困難にしている。
  私たちが汚染状況を判断し、行動するに当たって、外部被曝と内部被曝とを明確に区別して考察すること
も不可欠である。原発サイト内あるいは上空での放射線量には、露出した燃料棒からの直接的な放射線量の
寄与も大きいと考えられるが、原発近隣を含め、そこから離れた地域での放射線被曝は、大気中に放出され
た放射性物質からのものである。これらは外部から放射線をあびせるだけでなく、体内に取り込まれて内部
被曝を起こす。
  体内に取り込まれた粒子から放出されるアルファ線やベータ線は飛程が短く(アルファ線では40μm程度)
その粒子からのごく近くの組織を集中的に破壊するので、がん発生率が大きくなる。そのような効果を考慮
すると、被爆線量規制値はICRP報告より厳しく評価すべきだという見解も出されている。

・原発サイトにおける被曝労働
  原発サイトでは、敷地内のモニタや上空で100mSv/h を超す高い放射線量が観測され、作業も度々中断
されている。原子炉を安定化させ危機を回避するための作業は、緊急に行わなければならないが、作業員(東
京電力と下請け企業の社員、消防隊員、自衛隊員等)の被曝労働は極力避けねばならない。厚生労働省は被
曝線量限度値(法定限度)を100mSv から250mSv に引き上げた。これが、作業における被曝線量を過小評
価することや、被爆労働の強制につながるものであってはならない。

・周辺30km圏での退避の必要性

  原子力安全委員会の定めた防災指針の規準(予測線量50mSv 以上で退避、10mSv 以上で屋内退避)を適
用するに当って、どのような予測にもとづいて現在の退避範囲(福島第一原発から20km 圏内は圏外への退
避、30km圏内は屋内退避)が設定されたのかが不明確である。事態を過小評価している危険が大きい。特に、
30km圏内の屋内退避を強いられている方々には、救援物資が滞る(運送業者が立入りを望まない)という事
態が生じており、一刻もはやく圏外退避を決めるべきことを政府に求める。

・周辺80km圏内からの退避について
アメリカ政府は、福島第一原発周辺80km(50 マイル)圏内からの自国民の退避を決め、多くの国々も同
様の措置をとっている。この判断は一定の根拠にもとづいておこなわれたものであると考えられるので、そ
の地域に居住する日本人にも何らかの危険が生じうると考えるべきではないか。
実際に圏外に退避できるかどうかは、生活環境や、周りの人びととのつながり、退避先の有無など条件は
さまざまであろう。しかしながら、妊婦(胎児)・幼児・青少年など被曝の影響が大きく現れる人びとは、優
先して退避させるべきである。

・首都圏など200km圏内での対応

  首都圏など200km圏内でも、1μSv/hに達する放射線量が観測されている。この放射線量を1 年間(8760
時間)浴び続けると8.76mSv となり、公衆被曝の法定限度1mSv/年を超える。日本人が浴びるとされる自
然放射量1.2mSv/年と同程度であるとされるが、内部被曝が加わることを考えると、この線量を被曝し続け
て安全だとは言えない。
  問題は、事態がどのような期間ののち収束に向かうのかである。原発サイトで何が起こるか、放射能の放
出量がどう変化するか、注意深く監視していく必要がある。

・農作物などへの影響

  福島県内の牛乳、茨城県など関東各県の野菜(ホウレン草など)に食品衛生法の暫定基準を超える放射能
汚染が検出され始めた。食の安全が脅かされつつある。また、原子力災害対策特別措置法の規定にもとづい
て出荷停止措置が発動され、生産農家は農産物の廃棄を余儀なくされている。このような事態を招いた政府
や東京電力などには、しかるべき補償を行う責任がある。この状態がいつまで続くのか、場合によっては東
日本各地の農業生産が大打撃を受けようとしている。このような被害を最小限に抑えるためにも、これ以上
の放射能放出の防止と、原子炉および燃料プールの冷却機能回復が急務である。


3.柏崎刈羽原発被災の経験は生かされなかった

  今から考えれば、かろうじて大事故に至らなかった柏崎刈羽原発の被災は、日本の原発政策への警告であ
った。私たちはこの4年間、そのことを言い続けてきた。しかし、不幸にも、柏崎刈羽の経験は生かされな
かった。そのことに私たちは強い憤りを感じている。

・地震・津波の過小評価

  今回の原発事故はM9.0 という巨大地震と津波によるものであって、想定外のことであったという「言い訳」
が、今まで原発災害の可能性を否定してきた人たちの口から出はじめている。しかし、私たちは2004 年12
月26 日にはM9.0 というスマトラ沖地震と大津波を経験しているのであって、今回の地震を想定外のものと
いうわけにはゆかない。津波(地震随伴事象という名称で審議されている)の予測は不十分であり、実際、
流出したとされる第一原発の燃料タンクは水面近くに設置されていて無防備だった。

・海水注入の遅れ
  伝えられるところによれば、東京電力は地震発生の翌日の3 月12 日午前という早い段階で、付近の海岸か
らの海水注入を検討したという。しかし、東電がそれを実施したのは、炉内の状況が悪化して、1号機の爆
発が起って、首相が海水注入を命じた同日の夜になってからだった。ほかの原子炉ではさらに遅れ、13 日以
降になった。燃料プールへの注水も火災爆発が発生した15 日になってからだった。これらの注水の遅れが事
故をさらに拡大させた。
  東京電力が海水注入を渋ったのは、そのことにより原発施設が二度と使えなくなることを恐れたためだと
言われている。もしそうであるならば、安全性よりも利益を優先するこの東京電力の姿勢、それに追従する
原子力安全・保安院、学者という構図は、柏崎刈羽原発の運転再開に際してのいいかげんな安全審査の構図
と同様のものだった。

・情報公開の遅れ

  発電炉内のさまざまな設備の破損状態や原子炉運転操作上重要な炉内各パラメータのデータがなかなか開
示されず、現在でもまだリアルタイムでの開示がなされていない。これらの情報を広く開示することは、当
事者のみならず、かたずを呑んで見守っている多くの科学者・技術者が、今後の状況を予測し、適切な助言
をするためにぜひとも必要なことである。例えば海水注入についての助言をより早く官邸に届けられた可能
性がある。
  放射性物質の放出量についての情報についても同様である。今もって放出量の推定値が発表されていない。
サイト内の放射線モニタリングポストのリアルタイムの情報も公開されず、それらのポストの増設や常時の
監視ビデオ設置もされていない。また、政府は、福島県内外各地の放射線モニタリングポストのデータを集
約し、放射能拡散予測のシミュレーションを行って結果を速やかに公開してゆくべきであるが、それもされ
ていない。


4.柏崎刈羽原発の今後についての要求

  柏崎刈羽原発に反対する地元三団体と「原発からいのちとふるさとを守る県民の会」は、新潟県知事、柏
崎刈羽市長、刈羽村村長および東京電力社長宛に、運転再開された4基の原発の即時運転停止を求める申し
入れをおこなった。私たちは、この申し入れを強く支持する。
  また、このような原発災害を予測せず、その可能性を否定してきた学者たちが県技術委員会委員などとし
て安全審査に当たっていることに異議申し立てをしていることを、私たちは支持する。技術委員会メンバー
を刷新し、原発の安全に対して懸念を示してきた学者や現場を知る技術者、および市民のなかから選ばれた
メンバーによって再構成することを求める。
  国の原発安全審査に当ってきた原子力安全・保安院と原子力安全委員会の責任は重大である。日本の安全
審査の体制は、米国の国家規制委員会(NRC)などにくらべてもいちじるしく見劣りするものである。想定
をはるかに上回った地震動を受けた柏崎刈羽原発の経験を踏まえて、国は全国各地の原発のバックチェック
(見直し)を実行し、福島原発もそのなかに含まれていた。しかし、その見直しが甘いものであることが今
回の「原発震災」で明らかになった。
  「柏崎刈羽原発の閉鎖を訴える科学者・技術者の会」に結集した科学者・技術者は、市民と協力しながら、
地震動評価や設備機器の耐震安全性評価について、折に触れ意見を述べてきた。自然を対象にした地震動評
価のみならず、人が作る設備機器の安全性評価においても、未知な領域が存在することによる不確実性がか
ならず伴うものである。それを「まれ」な事象であるとして「工学的判断」の名のもとに切り捨て、被災し
た柏崎刈羽原発の運転再開が進められてきた。そのような評価のあり方が間違いであることを私たちは訴え
てきたが、今回の「原発震災」でそれが明らかになった。
私たちは、日本から「原発震災」をなくす活動を今後も続けてゆく決意である。


以上


page top